暖かい沖縄






暖かい

12月30日
沖縄暖かい

最新ファッションのように
上品なシュッとした木にホームステイする植物

忘れられた畑に
嬉しげな果実

ちっちゃな鳥
果実木のあわいを
跳び

弁論大会地区代表な
うるさ鳥らきたりて
てんやわんや

鳥ら若い
そして木らおちつきながら
ほんと若い

着物きて翻るようなバタフライ

味わい深い小道にて
しばらく過ごす
暖かい沖縄





屹立するひと






すごく荒野となって
屹立するひと

あらかた諸悪から遠く
屹立するひと

港は近くけれど幼い
エネルギイに委ね
屹立するひと

来る馬車や
来る巨大鳥獣を
軽くあしらって
屹立するひと

欲望を望まず
虚像を象らず
屹立するひと

我らの神殿
我らの真理
屹立するひと





夕べ琉球






珊瑚のような花
ふつうに揺れて
夕べ琉球を呼ぶ

要所に逞しい勇者
光りようを心得て
音符遊歩する夕べ

千年箒にて
愚か群らを
追放すると

清らかなひと
清らかな夕べ
琉球を楽しむ





声援






波紋をウィンドウに
それらを我らに
住居に連なる従順

高速道路を穏やかにする波紋

北から続々と
観光客バス
高速道路を
北から帰る観光客バス

神秘は
どこにある

神秘は
ここにある

静かな声援
それは
真実の世界からの
声援





万雷羽






行く手に待つと言うけれど
そこに行くとは言っていないのさ

微生物宮殿を迂回する
万雷羽

ゆっくり方向に進展させる
万雷羽移動

かの天使さえ
万雷羽

兵隊規範らの
うなだれた行進を
牧草畑にする詩人と

錆びた銀河軸を棒高跳びとして跳躍する冒険家

詩人と冒険家を載せて
万雷羽






人間の声しばらく過ごす惑星






小さな道
下り坂の小さな道

小さな鳥
美しい翼を誇る小さな鳥

大気に押され
草群昼寝を標榜する

語り部に昔扇ありて
仰ぐ姿のお嬢な葉

人間の声を置いて
立ち去りし者等ありて
人間の声しばらく残る

人間の声しばらく過ごす惑星





愉快な永遠






並ぶけれど
おだやかな規則となって

歌うけれど
くすっとしたお喋りのように

アレンジするので
伝言なんて
多様な物語

寄り添ってるけれど
好奇心旺盛なひとりごと

愉快な永遠

愉快な仲間

なだらかに
真の存在ありけり





ホンショクと異人






広い宇宙空間とかいうけれど。実際せまい。じゅうたいでぎゅうぎゅう。

ホンショクは恒星間を移動する船にぎゅうぎゅう。ホンショクとは、ホンライの植物、地球で菌類と呼ばれる生物はホンショクのパフォーマンスのひとつ。

地球で言葉と呼ばれるもの、それはホンショクのパフォーマンスの胞子に違いない。

知るのは異人?いや、知らないほとんどの者こそ異人。

と、ホンニンは言う





美しい世界






我らの世界

奴らの世界じゃない

騒音となって侵攻する奴らの世界じゃない
利益の追求に追い立てられているのは奴ら
追い立てようと企てるのだって奴ら

争乱となって地獄深く沈んで行くのだって奴ら

我らの世界美しい豊かな世界





可笑しい






胞子によって広がるその要求を進化という
なら慌ただしい

荒涼とした小惑星だと思ったとする
けれど
それは移動手段に過ぎない
なら慌ただしい

森を押し進めると同時に変化を飽和させる
としたら慌ただしい

鬼の菌糸こそあのツノなら慌ただしい

虎のパンツこそ菌類制覇地図なら
慌ただしい

時計としているその慌ただしさこそ
菌類のおっちょこちょいなら
可笑しい





霊峰真詩






霊峰じゃった

霊峰に座して

静かにしてた

楽器やら歌やら
恋しくなかった
退屈など最初から
なかった

霊峰じゃったから

鍛え上げられた
せいじゃとなって
座していたんじゃろよ

遊ぶ星々となって
隣り合って
静かな賑わいと
なって存在する
喜びに少し震えて
いたんじゃろよ





従属






次の指示に従おう
とする街
あわよくば従わせ
ようとする上層部

巨大化しようと
すればするほど
矮小な上層部

愚鈍な芝居を
鋭敏ぶって演じる
上層部

計画なんて
ずっと頓挫
なのに忘れて
惑星ごと詐欺よう
とする上層部

だれの上層部
なんの上層部





惑星を知る






惑星カーブのとこを
鷹のやつら飛び交う

貴重ガスタンク群など
蹴飛ばす勢いにて
鷹のやつら飛び交う


ずらっと電線にゃ
頭白い台湾由来な鳥

ずらっと台湾由来な鳥
揃っておっ尾は夕陽方向


少し荒い波頭

前傾な船
惑星カーブ
んとこから
速度増す


惑星カーブ
んとこを
我らよく知ってをる





精風






雑多な風それぞれを
説得
あるいは制圧しながら
赤蜻蛉

時空系を事前に
織り込んだ
羽を精巧に操作する
赤蜻蛉





沖縄だから






沖縄だから
水平線にかこまれて居る
なのだから

ときに
水平線に向かう

水平線に向かうことはよろしいことさと
思っている

広く大きい
強く美しい

水平線に向かう

そらを知るには
水平線に向って
思いを走らせる
ことなんじゃないか
などと思いながら

水平線に向かう










欲する
するとそこにある
柔らかな存在
なだらかな山

語らず
静かにそこにある
それを信じることだ

うるさい集いを
信じてはならない

欲する
するとそこにある
静かに
そこにある

それを信じることだ






知性ありけり






整っている
静かに整っている

波として畑として
整っている
静かに整っている

宇宙より整っている

通路なのに静か
制御室なのに穏やか

通路として制御室としてそれらを通過させる

知性ありけり





まにんげん旅






続々と強風
嘆かずにいられるだろうか

続々と強風
怒らずにいられるだろうか

うねりながら
もつれながら
続々と強風

まにんげんは
どこを
旅しているだろうか

語る心で
木は
続々と会話する

まにんげんは
どこで会話しているだろうか





真詩賛歌






賛歌する
曇天を
飛ぶ誇りを

強風を
参加させ

祈る者は幸いに
委ねられ

丘からすれば
万事微笑ましい

丘からすれば
万事微笑ましい





真なる永遠






懐かしい男
丘陵をなぞる
松の辺りとか
そらの懐

体育座りする

耕運機にて畑仕事する

男とは

懐かしいやさしさ

真なる永遠とは
懐かしいやさしさ






センス






扇子


木々をなぞった八月

扇子


謎そらをぴょんぴょん

扇子


寄せて返す
風情





語る






山の道は夕暮れになるとにぎやかになる

虫の声は柔らかくところどころからあらゆる世界に及ぶ

鳥の声は順当に山の道をなぞりながらひろがる

人は
山のすぐ向こう

だから行く

お互いに行って
会って語る
楽しく過ごす






ブログ更新



暑いと
どうよって
考える

いや
暑いと
考えない

ブログ更新なんて
前世紀行事

けっきょく
南極

南極氷は重い
大陸を
海底ごと
深くする

とか
考えず
ブログ更新





悠久






潤う畑と森

森の鳥の声は

森と畑に降る

余分な欲を

忘れさせる丈低きサトウキビ畑の豊かな揺らぎ

速度の変化と場所の変化が美しい白い蝶

悠久はここにある





ほんどころ






ニュースって
商品なんで
売れるニュース
だけ売ってる

正義は商品なんで
売れる正義だけ
売ってる

買わず売らず

騙さず
騙されず

ほんとうのことは
ここにある





自然ら






南極の氷おっちらと移動したとか
プラスチックあふれて混雑とか
言ってますけど

人はどうなのよ

飽和する話題
後退する進歩


人様の話きいたって笑えない
人様の話
悲しい


自然らから
話を聞いて

真詩とする





凡庸な箱






幾度も通り過ぎた

凡庸な街角

箱のなかの記憶

大きな木があったという
記憶

大きな木があったという
記憶の枝が箱に侵入

箱に侵入した枝を
伝って降りてくる

野生の調合

箱から余った気配を
束ねる王冠






螺旋の砦






奴の行進は螺旋の砦

逆流の正統派

屈服の笑いを

運動帽子で掬って

星座を新調する

回転式のノートに

トントン拍子の書き込み

いま出来た言葉なので

真実や偽りは
まだ準備不足!

奴は昂らず
次の果実を取り出した

旗として掲げるには
少し重いな

奴の言葉はいつでも
羽衣である





島バナナ空港






ガジュマルのように辛抱強く
物語を書き続けたい
パイナップル畑のように注意深く
音楽を届けたい
島バナナのように機敏に
空路を開拓したい





Your answer






すぐそこまで来ている

どこでしょう
いつ来るのですか

通りすぎた

疑問に乗って通りすぎた

いつまた来るのですか

あなたはいつ迎え入れるのですか

どのような方なのですか

あなたなのでしょう

すでに来ています

それはあなたです





なつかしい






すこし頷く

ヨダンの木々

笑う

花壇の花々

なつかしい

アトリエ





台風の袖






台風だという。この辺りから遠いという。遠いけれど台風の袖に触れている沖縄の午後。

台風は知り合いだ。ほとんど知らない知り合いだ。台風が何者なのか知らない。

複数人存在するのか、それぞれおひとりな台風なのか。
それより懐かしい。

台風の袖に触れて懐かしい。
かわいている。台風の袖なのにかわいている。

隔てた場所に情を置いて散歩したら袖がかわくのだろうか。


捕らえられない


追跡できない

懐かしい袖





渦ダンス






樹木が風に揺れる

風のダンス?

樹木のダンス?

両者のダンスなのでしょう


夏物と冬物がごちゃ混ぜで渦を成してをります

何のダンス?


馬鹿者のタンスだ





誰?






「皆」と言う

ほとんどの場合

おまえは「皆」と言う

おまえの言う「皆」とは誰なのか?

おまえと「皆」との関係は良好なのだろうな

それにしては争いは増すばかり

おまえの言う「皆」と
誰かが言う「皆」とは
良好な関係じゃないらしいな

「皆」になると力強い
力強い「皆」と「皆」とが争うから争いは増すばかり





MR.ベランダ婦人






バルコニー

じゃなくてベランダに

用意されたテーブル

テーブルクロスがうねる

ギリシャ風の荒波の如く

波間に小舟のごときお料理

MR.ベランダ婦人は

まだバルコニー じゃなくてベランダに御到着なされていない

「へい!MR.ベランダ婦人
スタッフのすきをついて
フォークを舐めておいたぜ」





森の祭り






ごろんと果実

真実の味

森に所属する祭りの

太古の声





若夏や島草履にて島から島

古い島ゾーリを新しい島ゾーリに替えてくれるっちゅうこって
『地域交流物品センターらへん』にわし行ったんじゃ

「貴様!ゾーリ替えに来たのか?」

「わしのゾーリ戦前のブツやから替えてちょうよ」

「貴様!ゾーリ戦線から敵前逃亡の脱走兵だな?」

「へい、さようでげす。んなことより替えてーなあ」

「仕方がない。若夏ゾーリをあげるからどうぞ」

ほいきたサッサ

で、帰り

若夏ゾーリまだ出来立てで
アッチアッチ

とほほの徒歩

娯楽






収集した娯楽で

彗星の尾ほどある退屈を

誤魔化せず

人を探す

どこかに大勢いるはずの
人を探す





アウラ






聖なる場

汚れた場

次元異なる

僕らの聖なる場は
汚れない

南洋杉は
僕らの聖なる場にいる
のでさわやか

南洋杉にアウラ
太平洋と会話する
銀河と会話する
アウラ





若夏な正午






うなばらを両手で抱える島々

島々を懐に抱えるうなばら

蝉の配置は立派

立派な音
客席にふってくるから
嬉しい

嬉しいうなばら
嬉しい島々
嬉しい自然

若夏な正午






サラダ菜スタイル






浴衣を来て夜の市場へ

サラダ菜買って

ドレッシングは天の川

さらりと微風

サラダ菜スタイル





静寂のホンタイ



大きな木が数本あって、石段九段の上に慰霊塔あり。
風。大きな木は大きな木なりの音をたてる。小さな木は小さな木なりの音をたてる。柔らかい葉堅い葉それぞれ音を振り分けられて音降りしきる。

恒星に向かい、惑星に向かう木々。はっきりとした美しさ。
すでにして沖縄に蝉音賑わいに満ちて星座のような構成。慰霊塔は静か。





コスプレパレード






オレンジの船以外の
船はどうにも
いかにもほんとうに
ずっと僕ら誠実に
船としてありました
ような雰囲気

オレンジの船は
コスプレパレードから
はぐれたてのような
雰囲気

高揚しながらのアレレ
アレレのパレード

オレンジの船は
夕陽の門を当然のように通過して行きました





アリリズム






二足歩行変化リズム
草原のリズム
変遷途上に音楽

アリクローン
人間の集団行動集団増加によるシンクロとして音楽
共通時間と音楽


褒美と音楽

物語とリズム

言葉商売
バナナと魚と
そこで言葉を使う





野花






数々の誉高き勲章は

フェンスを越せず

将軍の立派なスリッパも

フェンスを越せず

野花笑いけり





トップリーダー






ビニールハウスの辺りに舞い降りたのだ

群衆が寒くて震えて待っているビニールハウスの辺りに舞い降りたのだ

「ビニハウ!」に群衆が応えたのだ

「ビニハウ!」百獣の如く群衆が応えたのだ「ビニハウ!」

「我はリーダーなりや?」

群衆が応えた「我はリーダーなりや?」

リーダーは「いや、そうじゃなくて。訊いてるんだから、答えなさいよ群衆ども。
我はリーダーなりや?」

群衆が応えた「いや、そうじゃなくて。訊いてるんだから、答えなさいよ群衆ども。我はリーダーなりや?」

ビニールハウスが笑っていた





ポポラッサン語録






ある酒場にトムが
ふらりと立ち寄ったのさ

「Rだ Rの親分の登場だ」

場末の常連客がトムをからかった

「HEY クリープ野郎」

十年前のシャイなトムなら
すぐにかおを赤くして退散していたが

「古いシステムさ
そんな野暮な野次なんて」

トムは立ち上がり
古いピアノに向かう

「お前ら野暮な野次馬ども
その椅子のベルトをきつく結ぶんだ」

野次馬どもは退屈しのぎに従順さを演出した

古いピアノは大音響で抗議文をがなりたてた

対照的にトムは哀愁のやさ声で歌った

常連客どもの椅子が羽ばたいた

そして
「トム・ヨークが
タイリクショウジョウトンボの背に股がって台風を体験したいと言ってきたので僕はヨークシャテリアをトムにプレゼントしたんだ」


ポポラッサンが言ってた






はだかにんげん






押し上げる力など
ないところを
はだかにんげん
のような力に
ぐうわのように
押し上げられて

オレンジジュースに入ったストローの
オレンジジュース
のように

旅客機

那覇空港を
ほんどらへんに

向かう
旅客機






洋上ポエム






ふとした気まぐれ
フルーツを奢る船員

高価な例え話のボートを安い装置にて
たばかりながら
そっと洋上に置く

オールを挙げて暫し謳う

ポエムっぽく照れて笑う
トマトムーンさ
少年さ





何ぞや言葉



言葉とは何か、そして、言葉とは何だったのか

商売だ。初期なら交換だ。例えば魚とバナナを交換する。公正な取引に言葉は必要。

言葉は保存。言葉は権利の主張だ。
「そこに保存している芋は私の芋なので、持っていかないでね」
ということだ。

壁画に牛を描いた先輩は、きっと「この牛は私の牛なので。持っていかないでね」と主張する練習をした。

物なら保存。動物なら放牧やら家畜。

それらの権利の主張。物の取引。

言葉はその程度




最初音楽



音楽の最初
それは商売

ふわっとした
ソフトだった
心地よい音や
おもしろい音を

楽譜で梱包して
商品とした

現在、ソフトとして売られているのはパッケージであってソフトじゃない

ソフトは個人のものだから

買うやつらは
パッケージを
それぞれ個人レベルで再生してソフトをその場で立ち上がらせている

だから、それぞれによって違う商品として再生されている

なので、教室の授業用音楽は商品である

けれど、そのあたりはソフトに対応して著作権をふりかざさないでいるべきだ



やさ



丘に名前






丘の上に名前
それぞれ名前

丘の上だから風
丘の上から太平洋
鳥来て囀り
花咲き揺れる

名前は揺れない
気持ちは揺れる

名前にお辞儀して
旅人に戻って歌う





将棋



将棋や囲碁でAIがプロ最高峰の人間に勝つことが話題となる。

ファミコン時代に将棋のゲームソフトはすでにあったが、恐ろしく弱かった。プレステ2頃から東大将棋というソフトなどが飛躍的に強くなっていた。

そういう段階を実感していた者にとっては、昨今のAIの強さは当然と感じられる。

アームレスリング世界チャンピオンが重機的な機械に負けたって話題にならないだろう。

最速自動車と走りを競う陸上選手がいるだろうか。

しかし、将棋のカンニングに関しては警戒するべきであろう。これまでのんびりしていた対局規則を少し細かくするだけで充分対処できるだろう。





日記帳






階段を上がると
化石

山道の途中に階段
階段を上がると
化石

五月にして酷暑

酷暑な山の途中に
階段
階段を上がると
化石

化石は
太古の生物

太古の生物に
階段上がると会える

酷暑に
考える気力へろっとなったときに階段

降る好奇心

酷暑の山道途中の階段に降る好奇心を頼りに酷暑の階段上がれば化石のふりした冗談

冗談のふりした太古の日記帳





おっくう






人気芸能人女性の
ブログは

台風状態を
数年保持していた

そこでは絶賛やら非難やら怒号やら希求やら
渦巻いて
異様な洋上のように
荒れていた

詩人となって
荒れる洋上を
まんなかへと

するとそこは
静かな場所となっていた

荒れる世界
争乱世界の
まんなかなら
静か

詩人にしたって

それをとやかく
詩として
表現するのは

おっくう





島バナナ鳴る






島バナナ鳴る五月
旅路デイゴ

島バナナ
旗のような
葉っぱ振り振り

旅路デイゴ

旅路デイゴに
預けていた世界
受け渡されて嬉しい
五月

軽い旅っぷりを
知らせて
島バナナ鳴る
五月





朝の国道沿い






ずらっと花並ぶ国道沿い
細かく震える花
やつのサービス

きっと美しさは
やつのサービス

けれど国道沿い
いけすかない
移動手段の羅列

従わない

従わない理由は
やつに従っている
からじゃない

美しさに沿ってゆく方法に従っている

朝の国道沿い





べいびダンス






きみのあさってより
きたりて抱く
愛を抱いてべいび

ゆうがたは
希望の湯煙
ゆうきの枕で
おねむなお姫様

きみのあさってより
きたりてべいび
ダンス

よゆうなお話
聖なる分量な分厚い
お話をプレゼントする





シンプル





シンプルに
いのる

たわけた利益など
知らん

欲深さは

地獄の深さで不快だ

シンプルに思う




春を喜ぶ






マオウと腕を組んで春を喜んだ
華奢なマオウの手を握って春を喜んだ

沖縄なオーシャンあったし

リゾートなビーチ控えていたけれど

マオウといちゃつくを選択した
選択は正しかった
贅沢なんだと気づいた

贅沢な空間なんだと知った

春を喜んだ






フェンスの聖者 連休






食べない。いわゆる断食をする方がいらっしゃる。フェンスの聖者はそれをどう思っていらっしゃるか。

喋らないをぜひ実行してほしい。言葉をたいせつにしてほしい。ひねもす喋る方々は言葉の乱用。

言葉はピュアであるべきだ。乱用される言葉は次第に乱暴者となって人々を争わせる。

おちつきのない言葉乱用によって社会は粗暴になる。だから、喋らないことだ。きょうは喋らないぞと誓うことだ。できるだけ喋らないと決意することだ。

言葉は生き物である。残業に次ぐ残業で言葉は苛立っている。ストだってする。暴動だってする。当然のことでしょう。

言葉にこそ連休は必須なのでしょう。





フェンスの聖者 基本






基本は何なんだフェンスの聖者よ

うぞうむぞうは
騙される

うぞうむぞうは
騙す

誰だって騙されるし騙すってことかフェンスの聖者よ

それを基本という。騙すと基本を忘れる。騙されると基本を忘れる

そんで欲深くなって争ってやがんのか
うぞうむぞうは

真の欲とは自制心

争ってばかりだと結局損している
ってことか




人の側に居る



森の側にいる

ということは

人の側にいる

ということだ




宴を人類に






夕べに湾を賑わせる宇宙によるお喋り

祈りのような砂浜

重ねた砂

鼓笛隊を連れて
説得する
この夕べ
宴をと説得する

惑星らを従えて鼓笛隊最新旋律を持ち寄る

宴を
衛星に

宴を恒星に

先輩等に後輩等に

宴を人類に






僕らは知っていることを新たに知る






佇まい正して大きな船
すいへいせんを
リスペクトして並ぶ
午後

珊瑚らは実直な布石のように
中央より
島らへんにいます

こんびなあと
らしい建造らは
なで肩となって立つ

どこからか
自然の説教
僕らは知る

僕らは知っていることを新たに知る






小さな舟






小さな舟すぐに揺れます海原そのものとなって揺れるのです
小さな舟は海原そのものです
小さな舟は豊かな舟なのです






空楽






船に乗ること
波をすごく
緩やかにできること

これらの精には
誰の影響も受けないあの
空楽が

必要だとのこと

奏でる

星々の下を

奏でられた

空楽を受けて







故郷歌






反り返る
さとうきびの群
上空に
昼ムーン

かってにさとうきび
てんでにはなうた
歌い
上空に
昼ムーン


青空に
浸りながら
さとうきびの群
昼ムーン

故郷ありて
ともに歌う







川沿いを






高圧線の真下に座してる俺

遠くの水平線に座してる
巨大貨物船

語り過ぎる癖
語り過ぎる癖ありて
へきえき

悠久な天に属するたましい

高圧線の真下から
高等学校裏の
川沿いを経て旅を
続ける

ペットボトルを
携え
歌を公言して

公園を推敲して
芝生に朗らかになって
潮風ストリートを
闊歩する

悠久な天に属するたましい

陸沿いをパワーごと束ね旅をでっち上げる





くすぐったい竜さん






知ってる木そして知ってるアダンだったわけさ

春とか夏とか
じゃないわけさ

饒舌なすすき達とかよ
あでやかなバタフライ
とかよ

美しいおっぽな
小鳥さんとかよ

竜の背と
言ったってよ
やさしいわけさ

可憐なやつら
だからよ
竜だって

くすぐったいって

言ってたよ






なんぱポップス






なんぱじゅんかい
繁華街とか
寂しい川沿いとか
なんぱじゅんかい

ふわっと声
しゅわっとお女性

ふわっと声
しゅわっとお女性

星賑わい頃

さっと帰ろうと

さわやかに帰ろうと
けれんど
しゅわっとお女性帰らず

けっきょく僕
しゅわっとお女性と
おどけたところに
行かねばならず

ひやっと

ひやっと

ダーリンベイビー
ひやっとなりつつ

ダーリンベイビー







真詩 げんや






家畜なスパイごっこ
贅沢な家畜コース

くんれん
おべんちゃらの

はつらつとした愚鈍
せいそな争い
校庭の家畜フェンス

大陸棚に柏餅
御加護法則走法にて
おかけになる

皇帝の獣ロード

潤沢な獣ロード


奔放な本道ロード










鷹はなんらかの法則を養護するか
逆らうかして
森上空にて待機する

鷹は森の向こうへ回り込む
なんらかの存在は
鷹の声を降らせる

森に降る
きび畑に降る鷹の声を

途中の賛美者となって

僕は詩とする

しっとりとした怒りは

僕のか鷹のか
それとも
きび畑のか

森は錨を持たない船だ





ケイコク






地獄化した工場

Aラインでは疑いを
Bラインでは信頼を
Cラインでは恐怖を
製造する

製造されて流されて
Dラインで組み立てられ

愚鈍化された
都市へと出荷される

奴は工場の裏の蟻塚で

ブルースハープを鳴らす

ことごとく塗装された街に向けて奴は出荷する

普段着の警告を出荷する





小さな砂浜





空気さえ動かない玄関
揺れることのないカーテンのようだ

今朝の小さな砂浜

すぐ近くで跳ぶ魚

静けさは
今朝の
小さな砂浜に集まっている
 
水平線を越えれば

そこに異なる
小さな砂浜
異なる静けさ

そしてまた
跳ぶ魚

はるかな水平線





春王冠






森の勢いは空を応援する
雲群雄を清らかに進ませ

春王冠

旋回する千万世界
主を訪問する旋回

春王冠

渡され続けて
守られ続けて

春王冠

綴られた物語を尊ぶ
巡礼に託された尊厳

春王冠

卓越する比喩の旅衣






最初歌






最初歌

ほんと最初歌

炭酸飲料を
高く掲げて
にこりと

低く歌うべきだ
ひじょうに深く歌うべきだ

深海には

始まりの歌がある

深海のエネルギーの歌を歌うんだ

炭酸飲料を高く掲げ

にこりと
エネルギーの歌を

いまこそ

始まりの歌を






ギンネム






紹介しますとギンネムさん
ギンネムさんは柔らか動作でお花を紹介

どこから来たのやら
かわいいお花

春の嵐を運用する
大きな存在に
頼って来ました

それならよかった

春の嵐
山を鳴らして賑やか

春の嵐
山を揺らしてほがらか

ギンネムさん
宇宙を鞘に連ねて
交響曲





music bay





せいとうな門

風ら帰った

風らほっとして僕らほんわか

島バナナおげんき

コーヒーを私にください
音符の羽が羽ばたいて
あなたの楽譜はクリップボード

クリップボードに停泊ヨット

生まれたてのレコードを
持っています






世界は広い






沖縄にて山鳥
ススキを食む

山にまだ琉球
そこから広い世界

関東平野に
疲れた都市群

この山に琉球

島に疲れた基地
悲しい欲望

世界は広い

ここから世界は広い





祈るぜばかやろう




うちなんちゅ

だって

那覇空港まで
モノレール
に乗るでしょうよ

をれは
モノレールで空港まで
行ったりしない

するけれど

言わせてくれ

をれは空港まで
モノレールなんぞに
乗らんぞ

ユタなら

わかってをるじゃろう

をれは

レールなんぞ利用
せんぜ

駆けるぜ

自然なところを
駆けて

聖地で祈るぜ

宇宙に

中心は

ある

それ知ってるぜ
行ったから知ってるぜ
だから
祈るぜ






誠実を欲する






ピザやら甘い洋菓子やら
うんざり

誠実を欲する

どこそこな芸能人やら

クレイジーなリーダーやら

感動お届け運動スターやら

うんざり

仲良し集団ヒステリック
笑って共犯ヒステリック
集団嘘ホラー

うんざり

うんざり



誠実を欲する






聳える冠鷲






冠鷲の憩う枝

枝の下に

わたくしは居た

確かにわたくしは居た

そらに近い
山頂上だから
そらに近い

そらに近い山頂上にわたくしは確かに居た

近いそらは
世界の冠

わたくしの冠じゃないけれどそらは世界の冠

冠鷲の冠は
世界じゃないけれど
冠鷲は枝に憩いながら
山頂上に居た

聳える冠鷲

多様な存在として
聳える冠鷲





順路対話






オリーブ順路に
セレブリティ

何たらプレミアム
サウンドカフェ

強化合宿法螺貝ソング
何たら何段加速プリティ

アトラクション平和ぽく
牧場闊歩プリティ

それら世界に畑

夕暮れの畑に
耕耘機憩う

これは対話

ピクニック対話






Stargazer






Stargazer は今

飛行機の航跡をなぞる

葉書を揃え、島芭蕉な封筒を選ぶ

封筒に歌を入れ、葉書で紙飛行機を織り

そのまま古い引き出しを押す

Stargazer はひとり言

「古い机の
その引き出しを押す
それが銀河のひとり言」







聖者






雑踏に少し遠いフェンス

フェンスに
聖者

自然微風を着こなして
聖者

内側であり外側にいる
聖者

ギターを弾いてるようであり
種をまいているのであり

語るべきを語る
聖者

人よ

すべての聖なるものは人を選び語りかけると知れ



聖者語る

真の情報とは

静寂







The ビンゴ・バンセン





下品な
屋根のある施設

彼らは毎度
わずかな水を与えられる

彼らは
水を与えてくれる指導者を奉っている

ある日
ビンゴ・バンセンが

下品な施設を襲って
屋根を解放した

鳥がやって来て
ピーナッツを彼らに与えた

彼らは
ビンゴ・バンセンを奉らずに

鳥を奉った

雨が降り
鳥は飛び立った

彼らは
雨を飲んだ

彼らは
雨を奉らずに

お互い争った

ビンゴ・バンセンは
ぜったいに
彼らに関わらなかった






棚田真詩






棚田それぞれ竜の
鱗なればこそ

すいぶんを竜は
ふらせる

記憶を近くに
すまわせ

棚田それぞれ
記憶をあらたにする

つばさはやさしいので
関知するよろこび
ひとしお

詩人は竜を知る





豊かな坂



坂の途中に豊かな樹木

懐が深い

驚くほど沢山の小鳥が
樹木に入ってゆく

温か天気
坂の途中で豊かな出会い
豊かな奇跡



会話






「宇宙を渡る船は石だ」

「復元可能な情報が乗る石という解釈でいいのか?」

「復元はもちろん可能だが、容易ではない」

「偶然に任せている?」

「時をエネルギーとして捉えればこの問題は理解できる」

「おやすみ」

「束の間おやすみ」


宇宙を渡る船の内部で交わされた会話

人が交わした会話ではない

私が提起する疑問は

人に
会話が可能か?






スイカ畑






島と宇宙
じゃれて満天の星

スイカ畑に
仰向けに寝る

星々の対話と向き合う

スイカノックする
ように
満天対話に参加する

善天からすでに応答

思い出す

愛の歌を歌い出す

スイカ畑にて






宇宙樹かや






世界樹に「宇宙樹か」と尋ねたのです

最初だ。その質問最初だ。

意外と世界樹って
たどたどしい返答
南国諸島人々の如きたどたどしい交流スタイル

棚田のような世界。を棚田のような宇宙と言っていいかといった諸問題生じる質問だ。

そこかや
じっさい樹液供給されるのは社会なのか
人なのか

最初だ。その質問最初だ。

最初人間かや






宇宙服






飛空スター
ちょい酔っぱらい春

お花畑を素足にて駆けてきて
玄関先にソファ

原生林をスケッチ

誰かの
いえ
いつかの麦わら帽子よ

原風景をスケッチ

いつかの
いえ
誰かの作業デニムよ

現代巨大ビル群をスケッチ

宇宙の
いえ
学校の

宇宙服よ






小沢健二のホンタイ






叔父、小澤征爾さんには高崎線電車内にて遭遇した。スマホよりだいぶ以前で携帯電話実用初期な頃。

小澤征爾氏は多忙を首に数台かけていた。携帯電話を首に数台かけていたという事だ。

在来線に迷い込んだ迷い野鳥の如き存在意義であると私は察した。記念館に対するうんざり感を察したのは私だけ。当時そして現在、察してしまうのは私。

アフリカ原野に生息する細く気が強い野鳥の如き存在意義。私はいつだって狩人と勘違いされる。されど小澤征爾氏は「警戒なんかしちゃいねえぜ、ケッ」てな野放図大臣。

さて

なんの話でしたか





なんようすぎ






南洋杉あまもよいの
空に泳ぐように
聳えています

竜の背の尻尾に近い
畑傍に居ます

私の島は春風に
懐かれています

竜は荒々しい気配
けれど
私にはいつだって従順

私が天空にいるとき私は
竜に乗っています

そしてやっと
お話をします

楽しいお話をします

私の島は楽しいお話を
うれしく聴いています






芭蕉






風の入り口に
芭蕉は居る

芭蕉に守られて
ニライカナイ
微笑む

風の入り口に
芭蕉は居る

芭蕉は
人に知らせる

隣に居ないだれかは
隣に居ると知らせる

風の入り口で風に鳴って
ほんとうを知らせる芭蕉






ポエムってる午後






戸を押す大勢の善

準備体操しながら
ポエムってる午後

柔らかく複雑にそよいで精巧な動作を発揮している知性

北方の声は遠く昼の原野は趣のある即興舞踊

ポエムって背伸びして
原野猫な午後

ポエムって笛吹いて
舞踊猫な午後






鳥来る






鳥は来る

知り合いじゃない
けれど
よしなにと
鳥は来る

鳥について僕らはほとんど

知らない

僕らは鳥についてほんとの情報を捜す旅をするようにと
僕は人々に言わず
鳥に言っている

それでも鳥は来る

ありがたいことだ

鳥の声は歌じゃない

歌じゃないけど音楽かもしれない

鳥は飛ぶ
芸術より美しく飛ぶ
スポーツより力強く飛ぶ

ありがたいことだ

ありがたいことなんだよ





畑に来て対話






喜ぶ散歩となって

森麓の畑に来て
月下に立つ
冷気は我を熱くする

月下の森はお喋り

畑は静か

鍬で畑と対話する

森のお喋りに我も

畑とともに参加する





シフト






知らない滅びによりて
坂を溢れる群

猛々しい狂騒競争戦争
愚かへとシフト
自動シフトする
猛々しい計画

群と群と群

坂を溢れる

ヒトという記号

群という檻

記号の檻が

坂を溢れる