暖かい沖縄






暖かい

12月30日
沖縄暖かい

最新ファッションのように
上品なシュッとした木にホームステイする植物

忘れられた畑に
嬉しげな果実

ちっちゃな鳥
果実木のあわいを
跳び

弁論大会地区代表な
うるさ鳥らきたりて
てんやわんや

鳥ら若い
そして木らおちつきながら
ほんと若い

着物きて翻るようなバタフライ

味わい深い小道にて
しばらく過ごす
暖かい沖縄





屹立するひと






すごく荒野となって
屹立するひと

あらかた諸悪から遠く
屹立するひと

港は近くけれど幼い
エネルギイに委ね
屹立するひと

来る馬車や
来る巨大鳥獣を
軽くあしらって
屹立するひと

欲望を望まず
虚像を象らず
屹立するひと

我らの神殿
我らの真理
屹立するひと





夕べ琉球






珊瑚のような花
ふつうに揺れて
夕べ琉球を呼ぶ

要所に逞しい勇者
光りようを心得て
音符遊歩する夕べ

千年箒にて
愚か群らを
追放すると

清らかなひと
清らかな夕べ
琉球を楽しむ





声援






波紋をウィンドウに
それらを我らに
住居に連なる従順

高速道路を穏やかにする波紋

北から続々と
観光客バス
高速道路を
北から帰る観光客バス

神秘は
どこにある

神秘は
ここにある

静かな声援
それは
真実の世界からの
声援





万雷羽






行く手に待つと言うけれど
そこに行くとは言っていないのさ

微生物宮殿を迂回する
万雷羽

ゆっくり方向に進展させる
万雷羽移動

かの天使さえ
万雷羽

兵隊規範らの
うなだれた行進を
牧草畑にする詩人と

錆びた銀河軸を棒高跳びとして跳躍する冒険家

詩人と冒険家を載せて
万雷羽






人間の声しばらく過ごす惑星






小さな道
下り坂の小さな道

小さな鳥
美しい翼を誇る小さな鳥

大気に押され
草群昼寝を標榜する

語り部に昔扇ありて
仰ぐ姿のお嬢な葉

人間の声を置いて
立ち去りし者等ありて
人間の声しばらく残る

人間の声しばらく過ごす惑星





愉快な永遠






並ぶけれど
おだやかな規則となって

歌うけれど
くすっとしたお喋りのように

アレンジするので
伝言なんて
多様な物語

寄り添ってるけれど
好奇心旺盛なひとりごと

愉快な永遠

愉快な仲間

なだらかに
真の存在ありけり