自転車






丘に来ると言った
さらっとした祝日に言った

雲海と言った
うんかい
と言いたくなって
うんかいと言ったんだ

自転車を
うんかいの
丘へと押した祝日に

自転車を棚引かせて丘へ行ったと言いたくなって

自転車を棚引かせて丘へ行って

自転車を棚引かせて丘へ行ったよと言った






ナンテ






遠く置かれた真理を
忘れず連れて川向こうを
旅しながら
ビル風に挨拶する

完成された救いを憂い
愚鈍な群に怒り
ナンテとなって
川向こうを旅する

小さな声を忘れず小さな声に頷き
ナンテとなって
川向こうを旅する






歩こう






巨木から歓声降り注ぐ
下を行くビル群

巨大ビルにて
果実掲げる島人

抱き上げて
高く掲げて
にこやか

バス停に待ち人
バス停ごと抱き上げて
高く掲げて
にこやか

巨木から歓声
降り注ぐ
にこやかに受けて歩く

歩こう





台風ちゅうこっちゃ






台風
なんたる野生か
台風

それでいながら最新の些細なテクノロジーに影響されながら

なお野生なのさ台風

アドリブなのさ
台風の有り様はアドリブ演奏なのさ

木々には木々の
台風演奏ありて

詩人には詩人の
台風演奏ありにけり


ちゅうこっちゃ








詩人ヌーバス



バタフライふうらり飛ぶ

バタフライをうすっぺらとするな
バタフライは
分厚い書物とする

軽いからバタフライは
ついうすっぺらとする

けれどバタフライは分厚い書物

ページをゆっくり羽ばたかせふうらり飛ぶ

ページ数なんてすごい数なのさと言う

それぞれの場に
ページを保存すると同時にそれぞれの場にてページを更新するから
バタフライのページはすごい数なのさ

それを知ってりゃ
詩人