丘に名前






丘の上に名前
それぞれ名前

丘の上だから風
丘の上から太平洋
鳥来て囀り
花咲き揺れる

名前は揺れない
気持ちは揺れる

名前にお辞儀して
旅人に戻って歌う





将棋



将棋や囲碁でAIがプロ最高峰の人間に勝つことが話題となる。

ファミコン時代に将棋のゲームソフトはすでにあったが、恐ろしく弱かった。プレステ2頃から東大将棋というソフトなどが飛躍的に強くなっていた。

そういう段階を実感していた者にとっては、昨今のAIの強さは当然と感じられる。

アームレスリング世界チャンピオンが重機的な機械に負けたって話題にならないだろう。

最速自動車と走りを競う陸上選手がいるだろうか。

しかし、将棋のカンニングに関しては警戒するべきであろう。これまでのんびりしていた対局規則を少し細かくするだけで充分対処できるだろう。





日記帳






階段を上がると
化石

山道の途中に階段
階段を上がると
化石

五月にして酷暑

酷暑な山の途中に
階段
階段を上がると
化石

化石は
太古の生物

太古の生物に
階段上がると会える

酷暑に
考える気力へろっとなったときに階段

降る好奇心

酷暑の山道途中の階段に降る好奇心を頼りに酷暑の階段上がれば化石のふりした冗談

冗談のふりした太古の日記帳





おっくう






人気芸能人女性の
ブログは

台風状態を
数年保持していた

そこでは絶賛やら非難やら怒号やら希求やら
渦巻いて
異様な洋上のように
荒れていた

詩人となって
荒れる洋上を
まんなかへと

するとそこは
静かな場所となっていた

荒れる世界
争乱世界の
まんなかなら
静か

詩人にしたって

それをとやかく
詩として
表現するのは

おっくう





島バナナ鳴る






島バナナ鳴る五月
旅路デイゴ

島バナナ
旗のような
葉っぱ振り振り

旅路デイゴ

旅路デイゴに
預けていた世界
受け渡されて嬉しい
五月

軽い旅っぷりを
知らせて
島バナナ鳴る
五月





朝の国道沿い






ずらっと花並ぶ国道沿い
細かく震える花
やつのサービス

きっと美しさは
やつのサービス

けれど国道沿い
いけすかない
移動手段の羅列

従わない

従わない理由は
やつに従っている
からじゃない

美しさに沿ってゆく方法に従っている

朝の国道沿い





べいびダンス






きみのあさってより
きたりて抱く
愛を抱いてべいび

ゆうがたは
希望の湯煙
ゆうきの枕で
おねむなお姫様

きみのあさってより
きたりてべいび
ダンス

よゆうなお話
聖なる分量な分厚い
お話をプレゼントする





シンプル





シンプルに
いのる

たわけた利益など
知らん

欲深さは

地獄の深さで不快だ

シンプルに思う




春を喜ぶ






マオウと腕を組んで春を喜んだ
華奢なマオウの手を握って春を喜んだ

沖縄なオーシャンあったし

リゾートなビーチ控えていたけれど

マオウといちゃつくを選択した
選択は正しかった
贅沢なんだと気づいた

贅沢な空間なんだと知った

春を喜んだ






フェンスの聖者 連休






食べない。いわゆる断食をする方がいらっしゃる。フェンスの聖者はそれをどう思っていらっしゃるか。

喋らないをぜひ実行してほしい。言葉をたいせつにしてほしい。ひねもす喋る方々は言葉の乱用。

言葉はピュアであるべきだ。乱用される言葉は次第に乱暴者となって人々を争わせる。

おちつきのない言葉乱用によって社会は粗暴になる。だから、喋らないことだ。きょうは喋らないぞと誓うことだ。できるだけ喋らないと決意することだ。

言葉は生き物である。残業に次ぐ残業で言葉は苛立っている。ストだってする。暴動だってする。当然のことでしょう。

言葉にこそ連休は必須なのでしょう。





フェンスの聖者 基本






基本は何なんだフェンスの聖者よ

うぞうむぞうは
騙される

うぞうむぞうは
騙す

誰だって騙されるし騙すってことかフェンスの聖者よ

それを基本という。騙すと基本を忘れる。騙されると基本を忘れる

そんで欲深くなって争ってやがんのか
うぞうむぞうは

真の欲とは自制心

争ってばかりだと結局損している
ってことか




人の側に居る



森の側にいる

ということは

人の側にいる

ということだ