鷹はなんらかの法則を養護するか
逆らうかして
森上空にて待機する

鷹は森の向こうへ回り込む
なんらかの存在は
鷹の声を降らせる

森に降る
きび畑に降る鷹の声を

途中の賛美者となって

僕は詩とする

しっとりとした怒りは

僕のか鷹のか
それとも
きび畑のか

森は錨を持たない船だ





ケイコク






地獄化した工場

Aラインでは疑いを
Bラインでは信頼を
Cラインでは恐怖を
製造する

製造されて流されて
Dラインで組み立てられ

愚鈍化された
都市へと出荷される

奴は工場の裏の蟻塚で

ブルースハープを鳴らす

ことごとく塗装された街に向けて奴は出荷する

普段着の警告を出荷する





小さな砂浜





空気さえ動かない玄関
揺れることのないカーテンのようだ

今朝の小さな砂浜

すぐ近くで跳ぶ魚

静けさは
今朝の
小さな砂浜に集まっている
 
水平線を越えれば

そこに異なる
小さな砂浜
異なる静けさ

そしてまた
跳ぶ魚

はるかな水平線





春王冠






森の勢いは空を応援する
雲群雄を清らかに進ませ

春王冠

旋回する千万世界
主を訪問する旋回

春王冠

渡され続けて
守られ続けて

春王冠

綴られた物語を尊ぶ
巡礼に託された尊厳

春王冠

卓越する比喩の旅衣






最初歌






最初歌

ほんと最初歌

炭酸飲料を
高く掲げて
にこりと

低く歌うべきだ
ひじょうに深く歌うべきだ

深海には

始まりの歌がある

深海のエネルギーの歌を歌うんだ

炭酸飲料を高く掲げ

にこりと
エネルギーの歌を

いまこそ

始まりの歌を






ギンネム






紹介しますとギンネムさん
ギンネムさんは柔らか動作でお花を紹介

どこから来たのやら
かわいいお花

春の嵐を運用する
大きな存在に
頼って来ました

それならよかった

春の嵐
山を鳴らして賑やか

春の嵐
山を揺らしてほがらか

ギンネムさん
宇宙を鞘に連ねて
交響曲





music bay





せいとうな門

風ら帰った

風らほっとして僕らほんわか

島バナナおげんき

コーヒーを私にください
音符の羽が羽ばたいて
あなたの楽譜はクリップボード

クリップボードに停泊ヨット

生まれたてのレコードを
持っています






世界は広い






沖縄にて山鳥
ススキを食む

山にまだ琉球
そこから広い世界

関東平野に
疲れた都市群

この山に琉球

島に疲れた基地
悲しい欲望

世界は広い

ここから世界は広い





祈るぜばかやろう




うちなんちゅ

だって

那覇空港まで
モノレール
に乗るでしょうよ

をれは
モノレールで空港まで
行ったりしない

するけれど

言わせてくれ

をれは空港まで
モノレールなんぞに
乗らんぞ

ユタなら

わかってをるじゃろう

をれは

レールなんぞ利用
せんぜ

駆けるぜ

自然なところを
駆けて

聖地で祈るぜ

宇宙に

中心は

ある

それ知ってるぜ
行ったから知ってるぜ
だから
祈るぜ






誠実を欲する






ピザやら甘い洋菓子やら
うんざり

誠実を欲する

どこそこな芸能人やら

クレイジーなリーダーやら

感動お届け運動スターやら

うんざり

仲良し集団ヒステリック
笑って共犯ヒステリック
集団嘘ホラー

うんざり

うんざり



誠実を欲する






聳える冠鷲






冠鷲の憩う枝

枝の下に

わたくしは居た

確かにわたくしは居た

そらに近い
山頂上だから
そらに近い

そらに近い山頂上にわたくしは確かに居た

近いそらは
世界の冠

わたくしの冠じゃないけれどそらは世界の冠

冠鷲の冠は
世界じゃないけれど
冠鷲は枝に憩いながら
山頂上に居た

聳える冠鷲

多様な存在として
聳える冠鷲





順路対話






オリーブ順路に
セレブリティ

何たらプレミアム
サウンドカフェ

強化合宿法螺貝ソング
何たら何段加速プリティ

アトラクション平和ぽく
牧場闊歩プリティ

それら世界に畑

夕暮れの畑に
耕耘機憩う

これは対話

ピクニック対話






Stargazer






Stargazer は今

飛行機の航跡をなぞる

葉書を揃え、島芭蕉な封筒を選ぶ

封筒に歌を入れ、葉書で紙飛行機を織り

そのまま古い引き出しを押す

Stargazer はひとり言

「古い机の
その引き出しを押す
それが銀河のひとり言」







聖者






雑踏に少し遠いフェンス

フェンスに
聖者

自然微風を着こなして
聖者

内側であり外側にいる
聖者

ギターを弾いてるようであり
種をまいているのであり

語るべきを語る
聖者

人よ

すべての聖なるものは人を選び語りかけると知れ



聖者語る

真の情報とは

静寂







The ビンゴ・バンセン





下品な
屋根のある施設

彼らは毎度
わずかな水を与えられる

彼らは
水を与えてくれる指導者を奉っている

ある日
ビンゴ・バンセンが

下品な施設を襲って
屋根を解放した

鳥がやって来て
ピーナッツを彼らに与えた

彼らは
ビンゴ・バンセンを奉らずに

鳥を奉った

雨が降り
鳥は飛び立った

彼らは
雨を飲んだ

彼らは
雨を奉らずに

お互い争った

ビンゴ・バンセンは
ぜったいに
彼らに関わらなかった






棚田真詩






棚田それぞれ竜の
鱗なればこそ

すいぶんを竜は
ふらせる

記憶を近くに
すまわせ

棚田それぞれ
記憶をあらたにする

つばさはやさしいので
関知するよろこび
ひとしお

詩人は竜を知る





豊かな坂



坂の途中に豊かな樹木

懐が深い

驚くほど沢山の小鳥が
樹木に入ってゆく

温か天気
坂の途中で豊かな出会い
豊かな奇跡



会話






「宇宙を渡る船は石だ」

「復元可能な情報が乗る石という解釈でいいのか?」

「復元はもちろん可能だが、容易ではない」

「偶然に任せている?」

「時をエネルギーとして捉えればこの問題は理解できる」

「おやすみ」

「束の間おやすみ」


宇宙を渡る船の内部で交わされた会話

人が交わした会話ではない

私が提起する疑問は

人に
会話が可能か?






スイカ畑






島と宇宙
じゃれて満天の星

スイカ畑に
仰向けに寝る

星々の対話と向き合う

スイカノックする
ように
満天対話に参加する

善天からすでに応答

思い出す

愛の歌を歌い出す

スイカ畑にて