ある酒場にトムが
ふらりと立ち寄ったのさ
「Rだ Rの親分の登場だ」
場末の常連客がトムをからかった
「HEY クリープ野郎」
十年前のシャイなトムなら
すぐにかおを赤くして退散していたが
「古いシステムさ
そんな野暮な野次なんて」
トムは立ち上がり
古いピアノに向かう
「お前ら野暮な野次馬ども
その椅子のベルトをきつく結ぶんだ」
野次馬どもは退屈しのぎに従順さを演出した
古いピアノは大音響で抗議文をがなりたてた
対照的にトムは哀愁のやさ声で歌った
常連客どもの椅子が羽ばたいた
そして
「トム・ヨークが
タイリクショウジョウトンボの背に股がって台風を体験したいと言ってきたので僕はヨークシャテリアをトムにプレゼントしたんだ」
と
ポポラッサンが言ってた