トロフィー






何年ぶりだろう、ガムを噛んだ。こんちくしょうと言いながらガムを噛んだ。上顎と下顎がそれぞれ別の生物のようにガムを噛む作業を担当しだしたので困惑した。上顎が上司かと問えば、違うと、強く否定する下顎だった。縁の下の力持ち風な風評を欲しがる下顎だった。なのでトロフィーを進呈することとした。銀のトロフィーを「縁の下の力持ちで賞」と称して下顎に進呈したのだった。すると下顎は

「なんだ、ガム包んでた銀紙じゃん」

というお話。