畑に来て対話






喜ぶ散歩となって

森麓の畑に来て
月下に立つ
冷気は我を熱くする

月下の森はお喋り

畑は静か

鍬で畑と対話する

森のお喋りに我も

畑とともに参加する





シフト






知らない滅びによりて
坂を溢れる群

猛々しい狂騒競争戦争
愚かへとシフト
自動シフトする
猛々しい計画

群と群と群

坂を溢れる

ヒトという記号

群という檻

記号の檻が

坂を溢れる






すべての世界






草原の雲は
あこがれの歌
夕暮れまで
ずっといる

すべての世界で
ずっといる

自然に
あふれた言葉が

きみの名だったらいいのにね

でも僕は
いつだって名を呼ばない

いつだって叫んでいる

心でずっと
きみの名を叫んでいる

そして
どの世界であろうと
きみを
抱きしめている

ずっと





彼来たりて






軒先に彼が来て
思い出話をすると
退屈な棒は震える

彼はすべてを知っている
だから
だいたいとぼけている

彼は縛られず縛らず
誰の軒先にでも居る
軒先にあわせて
話をすることなど
考えていない

退屈な棒は震える
同じように震える





素粒子の素振り






飛んでいった鳥の羽毛のような昨今の世界

気が遠くなるほどの
前ならえの列
前ならえの言葉の羅列

沈黙問う
紳士迅速に答える

紳士は素粒子の素振りをする

天空の連なりに添って愛を持つ




森思う






森近くの傾いた畑で鍬振る男

俺は心動く

たぶんおまえは

電気仕掛けの舞台で
踊ったり音出したりする会で
「感動した」とか

鍛えた運動性能を披露する
会で躍動する早い動きに
「感動した」とか

言ってるんだろうな


森そのものとなった寂しさの傍で
思う

森思う






ジュモン






モニュメントを抱え込んで

藪から棒に

「信じているんだ」

おまえのジュモンは
誰の錯誤なんだ

たどたどしい
おまえの言葉

いつでも
おまえ以上におまえの言葉を理解する

だがおまえは
おまえのジュモンを知らない

知らないからただヒステリックに奇声をあげる「信じているんだ」と奇声をあげる

すべてのジュモンを捨てろ

おまえのすべてのジュモンは錯誤

それより畑で野菜を育てろ


その野菜こそが
ジュモンだ