菖蒲園



ガラシャツを着た男と薄笑いのマスクを被ったような男が

舞台の中央に
媚びるでもなく
ひねくれるでもなく
リズムよく出てきましたな

あれですよ

なんでげすかね

あいつの話です

ああ あいつね はいはい

あの
山のように大きなやつの話ですよ

おい おい ちょい ちょい
山のように大きなやつなんて
存在せんぜ 存在せんぜやんしょ?

こっちこそ おい おいだよ
話の流れってのを知らないのかおまえは

話の流れ知ってたら今頃 こんな汚い小屋じゃなくて
テレビで漫才やっとるわい えっへん

えっへん じゃないよおまえは 失礼なやつだなあ とにかく話の流れを汲み取ってテンポよくやりましょう

わかった わかった えっへん


じゃ 初めから…あいつの話ですよ
あの 川のように大きなやつの…

おい おい 話変わってるじゃないか

おや 話の流れを汲み取ってるじゃないかおまえは

もういいよ


この二人は今も小屋で頑張っているということでございます




青龍の心





花は白

階段は黒

紅の舟

青い希望

王の帰還に
万物が震える

白い知性

黒い力

紅の羽ばたき

旅する青き王

存在を超えた
大いなる愛を
まとう世界の
青き王の帰還に

玉座は称え

花は喜び

王を迎える

そしてまた
それぞれの旅





詩人






詩集なら街

詩集は
大きな書店に整列して
あなたが到着したならば
丁寧なお辞儀をしてくれるでしょう

新しい詩集のインクの匂い
上質な紙のやさしい手触り
あなたは高価な詩集に酔いしれるでしょう

でもあなたが
詩人をお探しなら

詩人は街にはいません

山の草の中を探してください
大きな石の裏を覗いたり
大きな木の枝に腰掛けたりしてください

きっと
そこに詩人がいますから






平凡な町






平凡に町は宇宙に
晒されている

宇宙に向かう
じゃない

宇宙を避ける

じゃない

平凡に町は宇宙に
晒されている

熟練の寂しさありて
帰路の鳩








羽ばたきを運ぶ






てっぺんの
心ぼそさに

雨に濡れながら
小鳥頷く

旅は小鳥そのもの

てっぺん揺らして
新しい羽ばたきを運ぶ
毎日ずっと






夕べ真詩






小さな船
大きなカーブを描く
帰路となって

ださい構造物に寄る

決まった夕べに
帰ってくる小さな船

微笑みのような
夕映え

ださい構造物に
精悍な夕映え

微笑みのような
夕映え







竪琴






きよらかな

歌を歌いたい
ずっと ずっと

きよらかな

踊りを踊りたい
ずっと ずっと

きみと