宇多田ヒカルのホンタイ





群鳥の行方淡く照らすなり宇多田ヒカルの歌の数々

と当時ぼくは短歌を作っていたのだけれど
当時とはいつのことなのか

さっぱりだ

というより
それらは嘘だとしたって不思議じゃない

だからじゃないが

宇多田ヒカルのホンタイは
竹箒だ
たけぼうき
竹のほうきだ

かといって
思い出を収集して
遠ざけるとかじゃない

縦笛としての竹箒なのだ

じゃあ竹笛でいいじゃないか

いいじゃないかだろう
いいけれど

竹箒の箒は
ロケットからの噴射だ

推進力とは
飾りのような毛羽立った様式なのである

だから
翼だってあれである



ホンタイシリーズはフィクションであります
御容赦ください