ヌーバス短歌 花






花をはるのは
とても疲れる
とても
疲れはするが
また花をはる





美しい笑顔






異界から

異界へ向かう

途中の野の

淡き光は

美しい笑顔

寂し野を

ゆくわれに

寂しさを

与えながらも

野を

照らすなり





デイゴ広場






オオゴマダラが設計図を広げ
銀色鳩が論説を展開する
デイゴ広場




縄文人






畑の始まる辺りに
古い佇まいの甕が置かれている
縄文人が置いたのか?
甕が縄文人を騙して
畑の始まる辺りに運ばせたとしたら
ずいぶん変な甕じゃないか?

畑を渡る鳥の声は
いつもの声なのでしょう




春のこと






春のことだ
丘には
草蝉がいた
春に出てくる小さな蝉
草蝉を包む
手のひらで包んで
ひらくと草蝉は飛んでいった
草蝉には触れない
自由を包んで自由に触れずに自由を飛ばす
そのようにしたはずだ
春のことだ









気楽






戻ればどうだ
進むなんて
バカげてるとき
戻ったらどうだ
ばか騒ぎに
心底疲れたら
黙ったらどうだ
捜し疲れたら
戻ったらどうだ
作り疲れたら
ほっといて戻ったらどうだ

それは地球の利益になるから
人の利益になる

システムじゃない
人として気軽に戻ったらどうだ




祈りとバス






バスでは後ろの席に座る
バスの後ろの席よりずっと
ずっと後ろに夕日
ふところ深く関わっている
美は
祈りを加速させる





誠意






アブの誠意で夕となり

ギンネム賛歌を謳歌する

惑星規模ったって

今ちょうどいいよ

今ちょうどいいよ
キスには

誠意集いて静かに

美しさは

すべて永遠だ








デイゴと世界






デイゴは世界を掴んだのかと

疑問を携え行ったのだった

デイゴは世界をすでに掴んでいて、世界を逃がそうとしているのかと

疑問を携え行ったのだった

デイゴは上空で世界を掴んだのかとか、デイゴは地中で世界を掴んだのかとか疑問を携え行ったのだった

デイゴは答えない





サファイア




過剰なサファイアを投げ
余剰な余暇をポケットで鳴らす
走り舞いながら鳴らす






あさって






昨日から今日から
あさってから

逃げてきたのさ
プリリィボーイ

やつらに騙されるな
やつらの嘘「逃げるな、ドリームをゲットしろ」
おまえに届く嘘に騙されるな

逃げるんだプリリィボーイ

北の脅威から南の恐怖から
あさっての嘘から

逃げるんだプリリィボーイ

騙されるなプリリィボーイ

餌のドリームから

逃げるんだプリリィボーイ

騙されるなプリリィボーイ





海畑






畑には畝がある
波である
畝は波である

海原じゃない
海畑なのだ

命は海から来た

畑で育む

だから
畑は陸の海畑だ

鍬を海畑にふる

オールでボートが進むように

畑に鍬をふる
そして進む






ギター座






ギターを持って砂浜
寂しい星空なんて
冗談じゃない
いつだって満天は
おてんばなのさ
朝まで
とりあえず歌う
潮風とギターは
仲良しじゃないが
俺は取り持つ
音楽は
仲良しだから
朝まで
星座に腰かけて音楽





台風の髭







台風は遠い、だが、台風の髭が伸びて沖縄に触れている

草っぱらから小っこい鳥ら、いっぱい飛び立っていそがしがってたのは

レインの少し前だった

米軍ヘリッコップター図々しい態度でがさつに行った

のはレインの少し前だった

パッドだかタブレットだかから欧米音楽だから

選曲はおいらだっただろう

自然な辺りから島バナナ最新ダンス








New Nuubas 第10話






寝椅子に寝ていたらしい

逆さに寝ていたらしい

天井に寝椅子があって、ぶら下がって寝ていたらしい

健康法よと女の子が言った。弟のフォタラは部屋に居ない。放牧してある牛に餌をやっているという

すると餌は?

旅の人。するどいわね。弟フォタラの頭に栽培されている紅茶。それこそ牛の餌。ミルクティーにぴったりのミルクは、紅茶を餌とした牛から得られるのよ
で、餌として、ミルクティーの食材として
弟フォタラは頭栽培紅茶を使うのだけど、使えば使うほど弟フォタラは頭良くなっている
なあぜ?

悪いけど、逆さでは謎を解けない。それより
牛に餌を与えているってことは朝?
僕はひとばん逆さで寝てた?

クスッと女の子は笑って

ふたばんよ旅の人






New Nuubas 第9話






温かいミルクティー配られそれぞれくつろいで

ところで女の子には弟あり

ミルクティーは弟が入れたの
弟はフォタラ
フォタラは牛を放し飼いしていて新鮮な牛乳を入手して
紅茶は頭で栽培してて
だからほら

なるほど
フォタラの頭は茶髪であった

シートは
続々シートあたりに座り込んで

なるイス
フォタラくんのミルクティー
すごくおいしいッイス

すると小太りフォタラくん

ふぉったらことねぇす寝椅子