うりずん相談所 立派な音楽






うりずん相談所に
御相談寄せられました


最近、良い音楽が
ありません
寂しいであります



お答えいたします

最近良い音楽がない
のであれば、あなた様には
良い音楽が
基準としてある

最近の音楽がくだらないと思えるほど
あなた様にとって良い音楽が厳然と存在している

あなた様には
その良い音楽を
ずっと聴き続け、歌い続け、演奏し続けるという最高の選択があるのです

それだと飽きる?

ならば、最近の
良くない、くだらない音楽を
良くない、くだらない音楽として聴いたらどうでしょう

心とらわれない音楽は
そこによさがあるはずです

やっぱり良くないくだらない音楽に耐えられない?

だったらあなた様が作ったらいいでしょう

良い音楽を作る自信がない?

あなた様には良い音楽は作れません
あなた様が作るのは
良くない、くだらない音楽ですから

納得できない答えだ?

こんかいの
うりずん相談所のお答えは

良くない、くだらないお答えでした







宇多田ヒカルのホンタイ





群鳥の行方淡く照らすなり宇多田ヒカルの歌の数々

と当時ぼくは短歌を作っていたのだけれど
当時とはいつのことなのか

さっぱりだ

というより
それらは嘘だとしたって不思議じゃない

だからじゃないが

宇多田ヒカルのホンタイは
竹箒だ
たけぼうき
竹のほうきだ

かといって
思い出を収集して
遠ざけるとかじゃない

縦笛としての竹箒なのだ

じゃあ竹笛でいいじゃないか

いいじゃないかだろう
いいけれど

竹箒の箒は
ロケットからの噴射だ

推進力とは
飾りのような毛羽立った様式なのである

だから
翼だってあれである



ホンタイシリーズはフィクションであります
御容赦ください







野生な浜に立つ






沖縄人じゃないふりをして
ドライブする

レンタカーな道路コースを忠実に辿ったりする

「わあブルーなオーシャンだ」とかで
お決まりな道路コースを忠実に辿るのだが

「みやもとあもん」
を思い出して
「ひさびさに潮風ふりかかる舞台演出家さんの家に寄るか」となって
向かったりする

演出家さんと知り合いじゃないのだが
持ち前の図々しさで訪ねそうで怖い



途中で野生のレーダーで
観光コースを逸れて
すてきな浜への秘密ルートを探り当てて
浜に立つ

野生な浜に立つ






自然流域






汽水域に強気の白鷺
領域を王座とす

艶やかな口元の
スイートな鷭
ダンス広場のマドンナ

このような
自然流域
生活地域の傍に
鎮座する

なのにテレビがいいのか
なのにネットがいいのか
なのに買い物がいいのか

どのような嘘を
すてきだとしたいのか

人よ







どこにだって丘







静かだから丘であります
うるさければ街であります

流れていった
だいじな言葉
少しまだ丘に残っています

人はまだ少し残っています

少し残っている人に
すべての愛は残っています

旅は
愛をつれて

先行しています

少しつかれたら

どこにだってある丘に
寄ればいいでしょう

ほんとうの話を
教えてくれるでしょう